2016年5月23日月曜日

議事録は契約書の代わりになるか?(前編)

「契約書を作成してください」という話をしていると、
交渉(‘契約に向けた’話し合い)や、契約成立後のプロジェクト・ミーティング等での「合意」について、

議事録が契約書の代わりになるか
という相談を受けます。

特に、最初の基本契約で決まっていなかったことが、ミーティング等で決定した場合に、いちいち「個別契約書」を作成するのがめんどくさい、ということがあるように思います。

これについては、次の3つの点が重要になると思われます。

 ・ 議事録の内容が、合意内容を明確にしているか
 ・ 権限を有する者が合意しているか
 ・ 基本契約書との関係


「議事録の内容が、合意内容を明確にしているか」という点については、単に一方当事者がこのような要望を出した、とか、それに対して他方当事者がこのように発言した、ということだけでは意思の合致があったのかどうか、どのような内容で合意したのかが不明確になる場合があります。


後々、「このようにしてくれと注文した」、「いや、あれは注文ではなく、このようなことができないか、という打診だった」というようなトラブルが生じることがあります。

議事録は、まさに「議事録」としての議事進行の記録としてではなく、合意内容を記述しておく(当然、その前提として合意されている必要がありますが)ことが重要です。


なお、「~と合意した。」という文言さえ使っていればいい、ということでもありませんので、その点は注意してください。


次に、「権限を有する者が合意しているか」という点について、交渉やミーティングの場に会社の取締役や、部門長等の契約する権限を有している者が同席していれば問題ないのですが、営業担当者と、(契約する権限のない)上司や開発担当者だけで交渉やミーティングが開かれている場合があります。

そのような場合に、そこで決まったことが「契約」として認められるかどうか、という問題があります。


合意に達した(契約は成立した)と思っていても、実は改めて契約権限を有する者の承認・押印が必要で、実は契約は成立していなかった、ということになります。


「契約は成立した」「いや、あれは担当者レベルの話だった。契約は成立していない」というトラブルが起こることがあります。



後編」に続きます。




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