IT関連業務における契約、特にシステム開発やWeb制作に関する契約について、他の契約との大きな違いとして、
「契約締結」時に、「契約内容」が確定していない
という点が挙げられます。
例えば売買契約について考えてみます。
通常、物を購入する場合、その物がどのようなものであるか、納得して購入しているはずです。
自動車や住宅のような金額が高い物を購入する場合には、特に念入りにその物の説明を受けたり、実際に乗ってみる、モデルルームを見てみる、ということをして、購入する(売買契約を締結する)ことを決めると思います。
金額についても同様でしょう。
売買契約を締結する際には、売買金額が決まっているはずです。
つまり、「契約締結」時に、
売主は、どのような物を引き渡すか決まっている
買主は、それに対してどれだけの金額を支払うか決まっている
ということがほとんどです。
逆にいうと、幾ら支払うか分からない、という状況で売買契約を締結するケースはあまりないと思われます。
(時価の寿司屋で、値段が明示されていない場合はそれに近いと思いますが、それでも、店側としては、寿司を提供する段階では、このネタは一貫幾ら、というのは決めていると思います。)
そして契約が成立すると、その時点で売買の対象となる物の所有権は移転することになるので、後は引渡し、代金の支払いという行為(債務の履行)が残るだけということになります。
しかし、IT関連業務においてはこのようになっていないことのほうが多い、
つまり、
「契約締結」時に、「契約内容」が確定していない
ということが多くなっています。
これが、IT契約におけるトラブルのひとつの大きな原因であると考えられます。
これについては、
「契約締結時」とはいつか
「契約内容」とは何か
という2つの面について考えておく必要があります。
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